|
みおしえ
1月 『三輪の道』
新年、明けましておめでとうございます。
今年は、五色妙連の言霊〈神明〉のもと、さらに深く〈善隣の道〉を学び、霊性の向上をめざして精進してまいりましょう。
さて新年最初の御教えは、〈三輪の道〉です。私たちが、この世に生を享(う)けた意味を〈三輪の道〉を通して考え、今、生かされていることに感謝し、喜びを感じることができれば、今年もまた健康で幸せな毎日を送ることができるでしょう。
〈汝等今日より 三輪の処へ居りて楽しめ
神の守りのあらざるなし〉
私たちが楽しんで〈三輪の道〉を実践してさえおれば、懸命に祈らずとも、常に神は守っていただいているということです。
それでは、〈三輪の道〉とは何なのでしょうか。端的に次のように示されています。
〈三輪とは
1 個人的輪 我が心を丸くおだやかにする事
2 家庭的輪 家族の心を仲良く円満にする事
3 社会的輪 社会人と心の交流を和やかにする事〉
まず〈個人的輪〉です。
自分自身の心を常に丸くおだやかにしておくというのは、そう簡単なことではありません。なぜなら、人間には感情があるからです。一度、高ぶった感情を調節し、上手に切り替えて、おだやかな心を保つことが大切なのです。
そしてそのためには、日頃から、どんな状況にも柔軟に適応できる力を養うこと。さらに偏見や囚われを捨て、どんな人をも大きく包み込めるような寛大で寛容な人間に高まることです。
次に、〈家庭的輪〉です。
私たちが生きていく上で、家族という存在が、どれほど支えになっているかを知らねばなりません。
家族だからと、「ああしてほしい」「もっとこうしてほしい」と、いろいろな事を求めてしまいますが、それでは仲良く円満な家庭を築くことはできません。与え合うことが大切です。
例えば、5人家族の場合、5人一人ひとりの心が常に満たされていてこそ円満だと言えます。もし一人でも心に不平不満があるとすれば、それは円満であるとは言い難いのです。
つまり、家庭が円満であるためには、常に相手の立場に立って相手のことを思いやり、足りないところを責めるのではなく、互いに補い合うことが大切なのです。
最後に、〈社会的輪〉です。
人間は社会的存在であるため、近隣社会の人々とのふれあいや交流がなければ、生きてはいけません。〈輪〉とは、まさに〈和〉のことです。いつでもどこでも誰とでも、仲良く協力できる人が、和の実践者だと言えるでしょう。
できるだけ、自分の方から積極的に笑顔であいさつをして、人との交流を深めていきましょう。
〈善人は
常に三輪の処へ居て 人にすかれ人に親しまれ
毎日嬉しく楽しき処へ居るものなり〉
私たちが〈善隣の道〉を学び、信仰を重ねていくのは、〈善人〉にならせていただくためです。
まさに〈善人〉とは、〈三輪の道〉を実践し、人から好かれ親しまれ、毎日を嬉しく楽しく生きられる人に外なりません。
〈常に三輪の処へ居る者に
不幸病気の発生する謂れなし〉
つまり、不幸病気に見舞われた時には、〈三輪の道〉の実践を怠っていたのではないかと振り返ってみることです。
もしそうであったと気づいたのなら、ただちに〈三輪の道〉を思い出し、その実践に精進してください。必ず運命は開かれます。
それでは、そもそも〈輪〉とは何なのでしょうか。
〈輪とは
丸いの意 繋がるの意 切れざるの意
我が心と人の心が繋がっている状態を
心の輪という
人に対して 不平不満 憎み咎め 憤怒の念等の
発生すれば 折角の心の輪は切れて離れて
当然の現象として不幸病気の生まれ出ず〉
私たちが唱える御璽経の九文字〈天地一切一心正念経〉には、天地に生きる一切の生命(いのち)は繋がっているという意味があります。
ただし、〈繋がる〉と言っても、ベターッとくっついていればいいということではありません。やはり適度な距離感が大切です。
また、自分の事はさておき、人の事ばかりを責めてしまいがちなのが人間です。もし自分自身に眼が向いているのなら、人に対して、いろいろな不平不満は出てこないでしょう。
しかも、一度、不平不満が出始めると、そう簡単には収まりません。それが積み重なると、憎み咎めては憤り、それまで繋がっていた〈心の輪〉も、簡単に切れて離れてしまいます。
「バカ」と言われたら、「はい、そうですね。ありがとう」と言える。注意されたら、「ああ、そうでしたか」と自分の方から頭を下げる。まさに子どものような無邪気さと素直さが、自分と人との〈心の輪〉を繋いでいくのです。
〈不幸病気等に恐れ戦く汝等よ
それよりも三輪を失う事の恐ろしさに怖れよ
以て三輪の実践に力を注ぎ
心を丸く家族楽しく
社会人との間柄を和やかにして
常に幸せな処へ居らん事に励むべし
神の救いの絶対なり〉
どうしても人間は、目の前の不幸病気を恐れ、〈三輪〉を実践できない恐ろしさを分かっていません。つまり、人と切れて離れていれば、いずれどんな不幸病気に見舞われるかもしれないという自覚を常に抱いて、〈三輪の実践〉の精進に心がけることです。
そのためにはまず、笑顔になること。笑顔で家族に「ありがとう」と感謝の言葉を発していけば、自ずと心は丸くなり、楽しい家族生活を送ることができるようになります。
時に感情的になってしまっても、その瞬間に気持ちを切り替え、今日一日の実践を誓って祈る。その積み重ねが幸せを築くのです。
〈汝等今日より 三輪の道の実践者となりて
自ら幸いの処へ居りて楽しめ〉
毎日の祈りによって神と繋がり、その祈る心によって家族や社会の皆と繋がり、明るく楽しい日々を送りましょう。
〈神明〉の年もまた、〈三輪の道〉の実践により、すべての人と偕に幸せな日々を過ごされますことを心から祈ります。
|
|