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みおしえ
１０月 『寛大』
〈汝等今日より 寛大なる人となり
人に近づき 神に近づけ
必ず神に救われん〉
人間が神に救われるためには、〈寛大なる人〉にならねばなりません。〈寛大なる人〉、つまり心寛（こころひろ）い人になるためには、一人ひとりが持つ性格〔性分〕をよく見つめて分析し、中でも悪癖（あくへき）を出さないよう努めることが肝心です。
しかし、そう分かっていても、悪癖を直すのは、そう容易なことではありません。だから常に、「心寛い夫〔妻〕だったか？」「心寛い親〔子〕だったか？」と自分自身に問いかけ、悪癖が出てしまう前に、寛い心で人と接しきれるよう努めることです。そうして神の心に近づくことができれば、自ずと神に救われます。
〈人間には
善なる場合 悪なる場合（精神的 行為的）
意識的に
］幾多の過ちを持つ〉
無意識的に
人間は、決して完璧ではありません。だから、精神的にも行為的にも、人間らしく生きている〈善なる場合〉と、人間らしく生きていない〈悪なる場合〉があります。
また、分かっていながら意識的に過ちを犯す場合もあれば、知らず知らずに無意識に過ちを犯してしまっている場合もあります。そうして、幾多の過ち〔罪〕を重ねて生きているのが人間なのです。
〈罪の軽重に依る 善なる人 悪なる人〉
すべての人間は、善と悪の双方を併せ持っています。そして、その善と悪のはざ間で、軽重の差はあっても、何らかの罪を犯して生きているのが人間です。
そこで、「自分も人も同じ人間。長所もあれば短所もある」と寛い心で受け止め、人と接すること。人の長所を褒（ほ）めて生活するか、人の短所を咎（とが）めて生活するかで、運命は大きく違ってきます。
〈神に向かって反省の誠と懺悔の誠で
改善の祈り献げなば
神は直ちに 寛大なる大慈愛を以て汝等を救ひ給ふ〉
神は私たち人間に、ある程度の時間的な猶予を与えていただいています。だから、罪を犯したからといって、すぐにその報いを受けるわけではありません。神は私たちに、反省し、改善していく猶予〔余地〕を与えてくださっているのです。
だから、つい罪を犯してしまっても、すぐにその罪を認め、反省し懺悔し改善していけば、神はすぐに救いの手を差し伸べてくださいます。それこそが、神の〈寛大なる大慈愛〉なのです。
〈汝 神に助けられんには 先ず寛大なる人となれ
是れ神に助けられるの道〉
どうしても自分に甘く、人に厳しくなってしまうのが人間ですが、神に助けていただきたいと願うのであれば、先ず自分自身が〈寛大なる人〉になること。神は〈寛大なる人〉を助けられます。
それでは〈寛大〉とは、具体的にどういうことでしょうか。
〈寛大とは
小事にこだはらず 大きな心ですべてを呑む
人の過ちを取り上げず 人のよしあしにこだわらずして
常に人との親しみを深くし
清濁合はせ呑むの心境に立つ〉
人間はすべて、足りない者同士です。だから、互いを理解し、助け合い、補い合ってしか生きていけません。
そこで大切なのが、小さな事にこだわらず、大きな心ですべてを受け止めるということです。一方的に人の過ちを責めたり咎めたりせず、「人間は誰でも善い所もあれば悪い所もあるのだから」と、どんな人とも親しみを深くしていく。そんな清濁〔善悪〕すべてを受け止める心になることが、〈寛大〉なのです。
〈すべてを許す〉
〈寛大〉になるためには、すべてを捨てて、〈すべてを許す〉しかありません。私たちが、どうしても許しきれない時、御神尊様は「私に免じて許してくれ」とおっしゃられていました。それは、すべてを許しきれなければ、絶対に幸せにはなれないからです。
そして〈すべてを許す〉秘訣。それは、〈悪盲善開（あくもうぜんかい）〉〈悪聾善聞（あくろうぜんもん）〉になること。つまり、悪い事には徹底して盲目になり聾唖（ろうあ）になり、善い事には、どこまでも眼（まなこ）を開き、よく耳を傾けることです。
どうしても許しきれない事も多いにちがいありません。しかし、それを許す〈寛大なる人〉に生まれ変わらなければ、道は開けないことを、よくよく肝に銘じていただきたいと思います。
〈神は汝に寛大なり
汝も又 人に寛大なれ
神の寛大 汝に注がれん〉
陽の光も、水も、空気も、天地の恵みすべては、どんな罪多き人にも片時も止まることなく万遍なく注がれます。まさに人間は、不断に注がれる天地の新生命によって生かされているのです。
そんな寛大な神の大慈愛のままに、私たち人間もまた、関わる人すべてに対して寛大になりきれれば、神の愛は私たちを通して、その人に注がれていき、すべての問題が好転していきます。
〈汝 神に助けられんには
汝今日より 我が事を祈るよりも
寛大以て夫の事を祈れ 妻の事を祈れ
すべての人の幸せの為を祈れ
汝の寛大 神を通じて直ちに神に救はれん〉
本当に神に助けていただきたいと願うのなら、自分の幸せの事だけを祈っていても、それは神に通じません。夫のため、妻のため、すべての人の幸せのために祈ってこそ、その祈りは神に通じ、救いを授けていただくのです。
〈神の寛大と汝の人に対する寛大の感通すれば
即時 神に救われん〉
相手を変えようとするのではなく、今の自分の相手に対する見方や受け止め方を変えて、寛大な心になれるよう努めましょう。そうすば、必ず大慈愛そのものの寛大なる神の大精神（おおみごころ）に通じ、どんな運命も切り拓くことができます。
どうか、すべての人を受け容れる〈寛大〉な心になれるよう、さらに精進していこうではありませんか。
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