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| みおしえ 
 7月 『近道より来たれ』
 
 世界には様々な宗教や教えがありますが、善隣教の教えは〈善隣の道〉と言い、私たちが救われる道(方法)が示されています。
 そこで今月は、〈近道より来たれ〉の御教えから、人として生きる道を学び、存分に神より救っていただきたいと思います。
 
 〈汝等 神に救われんには近道より来たれ
 救われざるなし〉
 
 神に救われる道(方法)はいろいろありますが、御神尊様は遠回りをせずに〈近道〉を行けと教えていただきます。
 
 〈神に救われる方法に
 遠道を行く方法と 近道を行く方法がある〉
 
 同じ目的地に向かうにしても、様々なルート(道)があります。
 それと同じように、神に救われるにも、長い時間をかけて〈遠道〉を行き、やっと救われる方法と、〈近道〉を通って、すぐに救われる方法があるのです。
 
 〈神に祈りて神に救われんとする方法は近くして遠く
 人に祈りて神に救われんとする方法は遠くして近し〉
 
 私たちは神に祈れば、神に救っていただくと思っています。しかし、それは自分だけの幸せを願う祈りであるため、神が望まれている祈りではありません。
 それよりも、自分の周りにいるすべての人の幸せを祈っておれば、いつの間にか神に救われているもの。なぜなら、人のための祈りこそ、神が最も喜ばれることだからです。
 
 〈汝等 神に救われんには
 近道より来たれ 救われざるなし〉
 
 どんな事情に遭遇しても、うろたえることはありません。すべての人の幸せを祈る〈近道〉を行けば、必ず神に救われます。
 
 〈神に祈りを献ぐるが如く
 人に祈りて 共に幸いならんとする方法こそ
 神に救われる最もよりよき近道なりと知れ〉
 
 御神殿に額(ぬかず)いて神に祈りを捧げると、自然に心が穏やかになり、感謝の気持ちが湧いてきます。まさに神に祈る心のままで、人に向かって祈りを捧げること。そうして、共に笑顔で幸せになろうと努めることこそが、神に救われる最短距離なのです。
 
 〈神 汝等に幸いの道を説かんとするにも非ず
 唯 人間かくあらざれば
 生きるに生きられずと説く〉
 
 神は、私たち人間を幸せにするためだけに道(御教え)を説かれているのではありません。ただ、人間が人間らしく生きるためには、どう生きればよいかを説かれているだけなのです。
 
 〈人間の運命は
 人間関係の触れ合いより生まる〉
 
 人間の運命は、人と人との関係の中から生まれます。つまり、人間関係が円満で仲睦まじいか、ギスギスして心通わないものであるかによって、その人の運命は良くも悪くもなるのです。
 したがって、相手の幸せを祈る心で人とふれあい、信頼できる人間関係が築かれたならば、必ず良い運命が開かれていきます。
 
 〈人間関係と対人関係の是正〉
 
 より良い人間関係と対人関係を築くことが幸せへの道です。
 どんな相手も神に生かされている〈神の子〉であることを心に留め、誠意を尽くして円満な関係を築いていきましょう。
 
 〈人と切れて離れた処へ居る間 神に遠く
 対立と敵対感情と懊悩の処へ居る間
 如何なる信仰も為して益なし〉
 
 私たちは、時に人と心が切れて離れてしまうことがあります。そうして対立してしまうと、敵対感情が生まれ、悩んでは囚われてしまうのが人間です。
 人と心が切れて離れたままで、どんなに一生懸命に祈って信仰しても、神は決して救いの手を差し伸べられることはありません。
 
 〈神の絶対言
 汝等 神に救われんには
 すべての人と和して来たれ
 すべての人の手を取り 来たれ
 助けられざるなし
 これ近道の第一なり〉
 
 神に救っていただきたいと思うのなら、とにかくすべての人と和すこと。常日頃から、すべての人と円満な生活を送るよう心がけることです。
 この〈神の絶対言〉を実践することは、特殊な「行」を行うよりかなり難しいことかもしれません。しかし、すべての人と和して生きることこそ、神が最も願っておられる救いへの〈近道〉であることを肝に銘じ、すべての人と手を取り合っていきましょう。
 
 〈神の救いを
 手で受ける勿れ 足で受ける勿れ
 眼で受ける勿れ 耳で受ける勿れ
 体で受ける勿れ
 心で受けよ 心に受けよ
 これ祈りに優る近道にして
 神の救いに漏るる事なし〉
 
 神の救いを、手や足、眼や耳など、肉体に授かることだけを考えてはなりません。心に神を感じ、心が救われれば、祈る以上に神の救いを授かること間違いありません。
 人の事はよく見えますが、自分の事は見えないのが人間です。自分自身の心をよくよく見つめ、神の救いを授かりましょう。
 
 〈神 汝等の過去を問い給わず
 神 汝等の現在をこそ みそなわし給う〉
 〈現在 今の大切〉
 
 人間は、いつまでも過去に囚われ、過去を悔やんでは悩むことが多いものですが、神は過去の一切を問題にされません。
 今、現在を大切に生きているかどうかを問題にされるのです。
 
 〈不平不満の念 憎悪の念
 敵対感情の念 懊悩の念
 これ等のすべてをかなぐり捨て
 すべての人と和解和合し 心の底から喜べる
 心の底から親しみ合いの出来る人に
 生まれ変わる事 これに優る近道はなし〉
 
 過去を思い出しては、不平不満や憎しみの感情が湧き、ひいては敵対感情が生まれ、深く思い悩む。そんな心が運命を狂わせ、不幸のどん底へと陥らせます。
 だからこそ、これら一切をかなぐり捨て、どんな人とも仲良くし、心の底から喜び親しみ合える人間に生まれ変わること。それが神に救われる最大の〈近道〉であり、最高の生き方なのです。
 
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